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論文

多重イオン同時照射による低放射化フェライト鋼の照射硬化促進

安堂 正己; 若井 栄一; 大久保 成彰; 荻原 寛之; 沢井 友次; 大貫 惣明*

日本金属学会誌, 71(12), p.1107 - 1111, 2007/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:13.09(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

低放射化フェライト鋼の高照射量でのヘリウム効果を評価するため、現在HFIR炉による中性子照射実験を進めている。低放射化フェライト鋼においては、ヘリウム効果の評価はニッケル・ボロン等の添加元素による方法が主となるが、添加元素の効果の影響のため、その評価は容易ではない。そこで、本研究では低放射化フェライト鋼F82H鋼の照射硬化に対するヘリウムの影響について、同時イオン照射実験により調べた。照射実験は、原子力機構高崎量子応用研究所のTIARA施設にて、540, 630Kにて40dpaまでの範囲で照射を行ったのち、微小硬さ測定を行った。その結果、F82H鋼の照射硬化が著しい630Kにてヘリウム同時照射を実施した場合、ヘリウム総注入量300appm程度では、損傷のみによる硬化量と同じであったが、総注入量3000appmでは、20%程度の硬化の促進が生じることがわかった。この結果から、ヘリウムは照射硬化が著しい条件においては、硬化への影響が小さいことがわかった。

口頭

再処理機器用金属材料のNaOH水溶液での耐食性

本岡 隆文; 山本 正弘

no journal, , 

燃料再処理施設では高濃度硝酸を用いるため、高耐食性のTi, Zr, Nb合金等の材料の適用が検討されている。しかし、これらの合金は、洗浄時に用いるアルカリ水溶液での耐食性に懸念がある。本研究では、各種濃度におけるNaOH水溶液の腐食試験を実施してTi, Zr, Nb合金等の耐食性を評価するとともに、それらの腐食機構を表面分析と電気化学試験により考察した。試験材はNb-5W合金,純Nb,純Zr,Ti-5Ta合金である。試験液は50$$^{circ}$$Cの1-20wt%NaOH溶液である。耐食性評価は24時間$$times$$2回の浸漬腐食試験により実施し、重量測定結果から耐食性を評価した。また、電気化学試験及び腐食面の表面分析を実施した。NaOH溶液での腐食速度は、Nb-5W合金$$>$$純Nb$$>$$Ti-5Ta合金$$>$$純Zrに高かった。表面皮膜の主成分は、純ZrはZrO$$_{2}$$、Ti-5Ta合金はTiO$$_{2}$$であった。純NbとNb-5W合金はNa$$_{8}$$Nb$$_{6}$$O$$_{19}$$であった。耐食性の違いは、皮膜成分に起因した。この実験結果から、アルカリ域でのNbの電位-pH図を見直した。

口頭

11Cr系フェライト/マルテンサイト鋼の中性子照射による組織変化挙動

山下 真一郎; 舘 義昭; 赤坂 尚昭; 関根 学*

no journal, , 

高速炉炉心用の11Cr系フェライト/マルテンサイト(F/M)鋼は、高温強度特性と寸法安定性に優れており、実用化段階ではラッパー管としての使用が有望である。これまでの継続的な研究により、低損傷領域では幅広い温度のデータ拡充がなされてきているが、実機で想定される高損傷量領域では断片的データの提示に留まり、11Cr系F/M鋼の組織変化挙動は未だ多くの部分が不明である。このような背景をもとに、本研究では重照射した11Cr系F/M鋼の組織変化について着目し、高損傷量領域までの寸法安定性と、600$$^{circ}$$Cを超える温度域でのラスマルテンサイト組織の安定性について検討した。供試材の化学組成は、Fe-0.1C-11Cr-0.32Ni-0.54Mn-0.45Mo-1.89W-0.21Vで、1100$$^{circ}$$C$$times$$10min+780$$^{circ}$$C$$times$$1hrで熱処理した。中性子照射は、FFTF/MOTAとJOYO/CMIRにおいて、400$$sim$$670$$^{circ}$$Cの温度範囲で100dpa程度まで実施した。また、熱時効効果を把握するための熱時効試験も実施した。これら試験片の組織観察と元素分析から、100dpa前後照射された11Cr系F/M鋼では400$$sim$$450$$^{circ}$$Cの温度範囲にボイド形成が認められたが、スエリングは最大でも0.05%程度と寸法安定性に秀でることが示された。また、熱時効後と照射後の組織に共通し600$$^{circ}$$C前後まではラスマルテンサイト組織が安定に存在していたが、さらに高温の670$$^{circ}$$Cになると析出物の著しい粗大化とともにラスマルテンサイト組織の回復が急速に進行した。

口頭

ODS合金中の複合酸化物分散に及ぼす第三元素の効果; 濃度依存性

内多 陽介*; 長井 利泰*; 須田 孝徳*; 橋本 直幸*; 大貫 惣明*; 柴山 環樹*; 山下 真一郎; 赤坂 尚昭

no journal, , 

優れた耐照射性と高温強度を示すODSフェライト鋼は、原子炉心部の構造材料として期待されている。しかし、酸化物粒子のナノ構造やその分散制御の研究は十分ではなく、Ti, Hf, その他の元素が有効なことが判明しつつある。本研究の目的はODS合金中に添加した微量元素の濃度依存性を明らかにすることである。Ti, Hfを0.2$$sim$$0.9at%の範囲で添加したFe-9Cr基のODS合金粉末をMA法により作成し、1150$$^{circ}$$C$$times$$2hrでアニールした。これらにニッケル無電解めっき,機械研磨の後直径3mmのディスクを電解研磨にしてTEM観察用試料とした。Hf, Ti添加によりナノ酸化物粒子の析出が確認され、これらは、電子回折からそれぞれY$$_{2}$$Hf$$_{2}$$O$$_{7}$$, Y$$_{2}$$Ti$$_{2}$$O$$_{7}$$であることがわかった。平均粒径を比較したところ、Hfでは0.2at%, Tiでは0.9at%で最小となった。このことから、粒子分散は元素と濃度に依存して最適値があることがわかった。さらに、複合酸化物の物性と形成原因について検討する予定である。

口頭

N添加量が及ぼす低放射化フェライト鋼のクリープ特性への影響

中田 隼矢; 谷川 博康; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*

no journal, , 

低放射化フェライト鋼では、低誘導放射化の観点から窒素の減量が計られているが、製鋼性の向上や高温強度向上の観点からは、ある程度の窒素添加が望ましい。Fe-8.5Cr-2W-0.2V-0.08TaをベースにN量を調整した鋼、N1(N:100ppm), N2(N:250ppm), N3(N:500ppm)を作成し、クリープ特性に及ぼす窒素量依存性の検討を行った。その結果、高応力域では窒素添加量の増加に伴ってクリープ強度が明らかに増加したが、低応力域では鋼種間の明瞭な強度差は確認できなかった。破断後の試験片を分析した結果、低温・高応力域の試験では、窒素添加量が多い方が、破断後の試験片の硬さや鋼中の微細な析出物が維持されていることを確認した。よって、応力負荷下の析出物の安定性の違いが軟化傾向に差をもたらし、結果的にクリープ特性に差が生じたと考えられる。

口頭

低放射化フェライト鋼F82Hの溶接強度特性評価

中田 隼矢; 谷川 博康; 安堂 正己; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*

no journal, , 

F82HはITER$$cdot$$TBMの構造材料であるが、TBMの製造にあたっては、部材同士が溶接によって接合されるため、溶接接合部の強度特性を把握することが重要である。本研究では、これまで未評価であったTIG溶接、及び電子ビーム溶接によって接合された、溶接継手材のクリープ特性について評価を行った。その結果、高応力域では母材と比べて溶接継手材の破断時間は4割強まで低下したが、低応力域では6$$sim$$7割程度の低下に留まっていた。また、TIG及び電子ビーム溶接継手材の明瞭な強度差は確認されなかった。本試験条件下では、溶接の際の熱影響部における脆性的な破壊は観察されなかった。

口頭

中性子回折によるLa$$_{2-2x}$$Sr$$_{1+2x}$$Mn$$_{2}$$O$$_{7}$$(x=0.315)の静水圧下における磁気構造解析

村田 剛志*; 串田 悠彰*; 寺井 智之*; 掛下 知行*; 長壁 豊隆; 加倉井 和久

no journal, , 

層状ペロブスカイト型マンガン酸化物La$$_{2-2x}$$Sr$$_{1+2x}$$Mn$$_{2}$$O$$_{7}$$(x=0.315)は、P$$leq$$1.0GPaの静水圧下において75$$sim$$115Kの温度域で反強磁性相が出現すると考えられていた。本研究ではこの反強磁性を明らかにする目的で、静水圧下における中性子回折実験を行った。その結果、この物質は0.8GPaにおいて約70K以下の温度でc軸方向に磁気モーメントが向いている強磁性(FMuniaxial)であり、約70KでFMuniaxialからキャントした反強磁性(CAFM)に転移し、さらに温度が上昇すると約105KでMnO$$_{6}$$二重層内では磁気モーメントがab面内方向に平行に配列し、それらの層間で反平行に配列している反強磁性(AFMplanar)に転移することを明らかにした。

口頭

Ni$$_{2}$$MnGa合金単結晶を用いたマルテンサイト相及び中間相の中性子回折

串田 悠彰*; 福田 康太*; 寺井 智之*; 福田 敬*; 掛下 知行*; 大庭 卓也*; 長壁 豊隆; 加倉井 和久

no journal, , 

Ni$$_{2}$$MnGa合金のマルテンサイト相(M相)は10層周期構造であると考えられてきたが、粉末中性子回折や粉末X線回折を用いた構造解析から14層周期構造であるとの報告もあり、その長周期構造は未だ明確になっていない。本研究では、M相並びに中間相(I相)の長周期構造を調べることを目的に、単結晶試料に加圧治具を用いてシングルバリアント状態にして中性子回折実験を行った。その結果、M相は10層周期ではなく、14層周期に近い長周期構造であり、I相は6層周期に近い長周期構造を有することを初めて明らかにした。

口頭

分岐を伴う照射材のSCC進展挙動の検討

加治 芳行; 五十嵐 誉廣; 三輪 幸夫; 田口 剛俊; 相沢 静男; 塚田 隆; 菱田 護*; 高倉 賢一*

no journal, , 

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、軽水炉炉内機器の信頼性向上にかかわる重要な検討課題である。本研究では、応力拡大係数Kの有効範囲の検討,き裂進展形態の観察を目的として、照射材を用いてき裂進展量を長くした照射後き裂進展試験と有限要素法による解析を実施した。高速中性子照射量1$$times$$10$$^{25}$$n/m$$^{2}$$(E$$>$$1MeV)まで照射したSUS304鋼を用いて、288$$^{circ}$$C高温水中において初期応力拡大係数Kin=18, 23MPam$$^{1/2}$$の2条件でSCC進展試験を実施した。き裂進展挙動を把握するために、試験片肉厚中央断面において、光学顕微鏡によるき裂の進展状況の観察,微小硬さ試験機を用いたき裂近傍の硬さ測定,後方散乱電子線回折パターン(EBSP)法による粒界性格の測定等を行った。試験片肉厚中央断面におけるき裂進展形態としては、負荷方向に垂直な方向に対して上下約45$$^{circ}$$方向への分岐が観察された。EBSP法による粒界性格測定により、分岐したき裂も含めて結晶粒界を進展しており、主としてランダム粒界を進展していた。また、有限要素法による解析結果から、き裂が分岐した場合には単一き裂の場合と比べて、電位差法によりき裂長さを長めに評価することがわかった。

口頭

F82H鋼の照射硬化に対する焼き戻し熱処理の影響

安堂 正己; 谷川 博康; 若井 栄一; 實川 資朗; 香山 晃*; Stoller, R.*

no journal, , 

低放射化フェライト鋼は、573K付近の中性子照射によって、照射硬化・脆化が生じることが報告されており、これらの特性変化を抑制する方法を見いだすことは、核融合炉ブランケット構造材料の信頼性・経済性の向上に大きく寄与するものと考えられる。そこで本研究では、低放射化フェライト鋼F82Hの照射硬化に対する焼き戻し熱処理の影響について、原子炉照射及びイオン照射によって調べた。イオン照射材の結果より、焼き戻し温度条件が高いF82H鋼ほど、照射前後の微小硬さは標準材のF82H鋼に比べて低くなることがわかった。また、HFIRで照射された中性子照射材のビッカース硬さにおいてもイオン照射材の結果と同様の傾向を示すことがわかった。以上の結果は、熱処理条件によりF82H鋼の照射後強度が調整可能であることを示すものである。

口頭

ナノグラニュラーCo/C60-Co薄膜のトンネル磁気抵抗効果

境 誠司; 菅井 勇*; 三谷 誠司*; 高梨 弘毅*; 楢本 洋*; Avramov, P.; 岡安 悟; 鳴海 一雅; 前田 佳均

no journal, , 

塚越らの先駆的研究以来、新しいスピン輸送材料として有機分子と遷移金属のハイブリッド材料が注目されている。昨年、われわれは交互蒸着法で作成したナノグラニュラーCo/C60-Co薄膜が最大80%のトンネル磁気抵抗を示すことを見いだした。本報では、Coナノ粒子の分布が均質的な同時蒸着法で作成したナノグラニュラーCo/C60-Co薄膜の磁気抵抗効果について報告する。同薄膜の磁気抵抗効果について、印加電圧に依存して磁気抵抗が大きく増減することが見いだされ、低/高電圧側での値はそれぞれ50%以上/80%に達した。本現象は単純なスピン分極率の効果では説明できず、C60-Co化合物領域に起因する増長メカニズムの関与が推察される。

口頭

F82H鋼$$cdot$$HIP接合材の衝撃特性

荻原 寛之; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 榎枝 幹男; 香山 晃*

no journal, , 

核融合炉第一壁作製における課題は、衝撃特性向上を克服したうえでのHIP接合条件の最適化である。第一壁作製においては、部材作製にいたるプロセスの簡約化が必要となる。現在までに得られた結果から、HIP後の接合界面への酸化物の形成により、母材と比較して、接合面の衝撃特性が低下することが報告されている。したがって、HIP後の接合界面に存在する酸化物形成を低減させる必要がある。そこで、本研究では、衝撃特性向上を目的とし、HIPプロセスにおける接合面制御性について検討した。衝撃試験の結果から、接合部の室温における衝撃特性は、母材部のものと比較し、50%程度であった。HIP接合面の組織観察の結果から、ボイド等の形成は確認されず、良好な接合面を有することが確認された。延性脆性遷移温度については、明確な違いは見られず、-60$$sim$$-40$$^{circ}$$Cの値を示した。接合部の衝撃試験後の破面観察を行った結果、破壊の起点と考えられる成長した酸化物の存在は確認されなかった。衝撃特性低下に起因する酸化物の抑制は、脱気条件の改善により図ることができたが、さらなる衝撃特性の向上が必要である。

口頭

軽水炉炉内構造材のSCC機構研究戦略

塚田 隆

no journal, , 

応力腐食割れ(SCC)は、材料・環境・応力の諸条件により多様な形態を示すが、炉内構造材では中性子・$$gamma$$線の影響が加わるため一層複雑な現象として現れる。SCC機構の研究では、まずその支配因子を明らかにする必要があるが、SCC支配因子を探索するうえで必要なことは、(1)実機においてSCC損傷を発生した材料そのものの詳細な調査,(2)従来の材料分析・実験手法の限界を超えた新しい分析・試験手法の適用,(3)それらに基づいたSCC機構モデルの検討であると考えられる。ただし、実験室で再現したSCC現象が実機のそれをどこまで正しく再現できているかという点については、注意深い検討が必要となる。これは、実機におけるSCCの発生・進展挙動を実験室で再現すること、特に照射影響の再現には大きな困難さが伴うためであり、実験室の短期間の試験により得たデータに基づき実機の長時間予測を行うことの妥当性の検証が不可欠となる。この観点からも実機でのSCC損傷に関する情報が重要となるため、産学官の協力と連携が有効に行えることがSCC機構研究の最重要課題である。

口頭

低放射化フェライト鋼における照射下析出物安定性

谷川 博康; 酒瀬川 英雄; 荻原 寛之*; 岸本 弘立*; 香山 晃*

no journal, , 

核融合炉構造材料の第一候補材料として期待される低放射化フェライト鋼については、これまで、照射硬化を示す300$$^{circ}$$C近傍での照射により、時効効果が発現しない温度条件であるにもかかわらず、照射下では析出物の分布状態が変化し、それが強度特性変化に影響を及ぼしている可能性を報告してきた。本研究では、析出物の照射下相安定性について着目して調査を行った。300$$^{circ}$$C/10dpaまでのイオン照射実験を行った結果、イオン照射領域の析出物(M23C6)が明確にアモルファス化していることが観察された。さらに、300$$^{circ}$$C/5dpaで中性子照射された鋼について観察した結果、Ni添加鋼については析出物がほぼすべてアモルファス化している一方、他の鋼においては、部分的なアモルファス化にとどまっている傾向が観察された。このようなアモルファス化が発現する上限温度では、照射誘起拡散が現れやすいことが照射誘起アモルファス化現象の研究から示されていることから、以上より、300$$^{circ}$$C中性子照射で観察された析出物分布変化は、析出物の照射誘起アモルファス化が駆動力となっている可能性が示された。

口頭

Mg-Cd規則-不規則合金に関する原子の沈降実験

小野 正雄; 井口 裕介*; Bagum, R.*; 藤井 貴美夫; 江坂 文孝; 岡安 悟; 真下 茂

no journal, , 

本研究グループでは、非常に強い遠心加速度場下(以下、超重力場)での物質研究を行うために100万Gレベルの超重力場を高温で長時間発生することのできる超遠心機を製作し、超重力場下の合金や化合物等の原子の沈降や分子・結晶化学の研究を進め、これまでに幾つかの低融点合金にて固体中での原子の沈降を実現している。Mg-Cd系は規則不規則変態を起こす固溶系合金である。このMg-Cd合金(50:50at%)について超重力場実験を行った。実験条件は、重力加速度61万G,試料温度は融点以下の400$$^{circ}$$C,実験時間は60時間であった。回収試料には原子の沈降によるものと考えられるCd濃度が重力方向に数%増加する傾斜構造が形成されていた。また、出発状態とは異なるXRDパターンが得られた領域があることや、濃度の変化に伴う格子定数の変化に特徴があることなどがわかった。現在詳しく調べている。

口頭

ボロンナノベルトの電気伝導における放射線照射の影響

桐原 和大*; 川口 建二*; 清水 禎樹*; 佐々木 毅*; 越崎 直人*; 木村 薫*; 山田 洋一; 山本 博之; 社本 真一

no journal, , 

同位体ボロン$$^{10}$$Bは熱中性子に対して大きな吸収を示し、原子炉の遮蔽材や中性子検出器等に用いられる。今回われわれは、ボロンのナノ構造体である$$^{10}$$Bを濃縮したボロンナノベルト(BNB)を作製し、BNBの電気抵抗に及ぼす熱中性子線照射の影響を調べることにより、ナノスケールの放射線検出を試みた。BNBはレーザーアブレーション法で作製した。電子線リソグラフィーにより、BNB1本(厚さ20nm,幅150nm,長さ10$$mu$$m)の両端にNi/Au微細電極を加工した熱酸化Si基板を用意した。これを原子炉JRR-3Mにて、一定の電圧を印加しつつ中性子を照射し(線束10$$^{8}$$cm$$^{-2}$$$$cdot$$s$$^{-1}$$)、その際の電流変化を測定した。また、Cd板を介して中性子線を$$gamma$$線に変換して照射する実験も行った。その結果、中性子照射と$$gamma$$線照射のいずれの場合も同様に、照射時に数10分かけて伝導率が約18%上昇し、照射後は同じ時間で元の値に減衰した。熱中性子に対するBNB内部の核変換数に応じた変化でなく、$$gamma$$線による電気抵抗変化を検出していると思われる。

口頭

結晶配向性酸化タングステンのガスクロミック着色に伴う結晶構造変化

井上 愛知; 高野 勝昌; 山本 春也; 永田 晋二*; 四竈 樹男*

no journal, , 

光学式水素センサーの開発を行うため、反応性RFマグネトロンスパッタ法を用いて作製した結晶配向性酸化タングステン膜を水素暴露させたときの結晶構造の変化をX線回折(XRD)法で、水素暴露後の膜内の水素分布の変化を反跳粒子検出法及びラザフォード後方散乱法を用いて調べた。アルゴンと酸素の分圧が135及び20mPaになるように混合した雰囲気中で、金属タングステンをスパッタさせ、600$$^{circ}$$Cに保持した石英及びGlassy Carbon上に、結晶配向性酸化タングステン膜を堆積させた。その表面に15nmのパラジウムを堆積させた試料に対して、水素曝露前後における結晶構造を評価した結果、単斜晶系WO$$_{3}$$の(020)に配向している膜が着色するに伴い正方晶系に変形することが明らかになった。また、同様な試料に対して水素曝露前後における元素組成比を定量した結果、H$$_{0.45}$$WO$$_{3.0}$$の組成がH$$_{0.68}$$WO$$_{3.0}$$に変化した。このことから、水素ガスによる着色に伴い正方晶のタングステンブロンズ(H$$_{X}$$WO$$_{3}$$)が形成したと予想できた。

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